「EMSって本当に効果があるの?」
このブログをご覧いただいている方の多くが、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。
実は、私自身もそうでした。
鍼灸師として15年、運動指導に携わって18年。
身体のことを仕事にしてきた立場だからこそ、「筋肉は自分で動かして鍛えるもの」という考えをずっと持っていました。
そのため、「寝ているだけで筋肉がつく」「座っているだけで運動になる」といったEMSの広告を見るたびに、どこか違和感を覚えていました。
そんな私が今回、EMSを導入することを決めました。
「先生、考えが変わったんですか?」
そう聞かれるかもしれません。
答えは「半分YES、半分NO」です。
運動が健康づくりの基本という考えは今も変わりません。
しかし、患者さんと向き合う中で、「理想」と「現実」の間には大きな壁があることを痛感するようになりました。
今日は、その話をしたいと思います。
私はEMSに懐疑的でした
これまで私がEMSを目にしてきたのは、主に整形外科と鍼灸接骨院です。
スポーツチームでは小型の機械でリハビリに使っていました。スポーツジムでは使用していませんでした。
膝の手術後に筋肉が大きく落ちてしまった患者さんや、長期間動けなかった方の筋萎縮を少しでも防ぐ目的で使用されるケースが中心でした。
つまり、「健康な人が楽をするための機械」ではなく、「筋肉を失わないための医療機器」という印象が強かったのです。
一方、一般向けの広告では、
- 寝ているだけ
- 着けるだけ
- ラクして筋肉
そんな表現も少なくありません。
だから私は、正直なところ距離を置いていました。
もし患者さんから
「運動とEMSならどちらがいいですか?」
と聞かれたら、迷わず
「運動です。」
そう答えていました。
運動が一番。この考えは今も変わりません。
ここは誤解してほしくありません。
私は今でも、健康づくりの基本は運動だと思っています。
筋力だけではありません。
- 心肺機能
- 骨密度
- 柔軟性
- バランス能力
- 持久力
- 生活習慣病の予防
- 認知機能への良い影響
これらは身体を動かすことで得られる恩恵です。
EMSだけで、これらすべてを代替できるとは考えていません。
だから私は、これからも患者さんには運動をおすすめします。
……でも。
ここからが、私の考えが変わった理由です。
理想と現実の間には、大きな壁がありました
曙橋・若松河田で鍼灸院を開業して6年。200人くらいの患者さんに、
「少し運動してみましょう。」
「筋力をつけていきましょう。」
とお伝えしてきました。
皆さん、その場ではこう言ってくださいます。
「やってみます。」
ところが、次回来院された時には……。
- 忙しくてできませんでした。
- 疲れてしまって続きませんでした。
- 痛みがある日は動けませんでした。
- 結局、何もできませんでした。
もちろん、それを責めることはできません。
仕事。
子育て。
介護。
睡眠不足。
慢性的な疲労。
現代人が運動を続けることは、思っている以上に難しいからです。
その現実を何年も見続けてきました。
私の考えは、「0点より30点」です
そんな患者さんを何年も見続けるうちに、私の考えは少しずつ変わりました。
もちろん理想は100点です。
定期的に運動をして、筋力を維持し、元気に生活する。
これが一番良いことに変わりはありません。
しかし、現実には100点どころか、何もしない「0点」のまま数か月、数年と過ぎてしまう方も少なくありません。
それなら、0点より30点。
30点より60点。
少しでも身体へ良い刺激を入れることに意味があるのではないか。
そう考えるようになりました。
EMSは100点の運動にはなれません。
しかし、「何もしない」状態から最初の一歩を踏み出すきっかけにはなれるかもしれません。
EMSだから期待できること
では、EMSにはどんな価値があるのでしょうか。
私が期待しているのは、「楽をして筋肉をつけること」ではありません。
自分ではうまく働かせにくい筋肉へ刺激を入れられることです。
インナーマッスルへのアプローチ
筋力トレーニングでは、大きな筋肉(アウターマッスル)が先に働きやすくなります。
一方で、姿勢を支える深層の筋肉(インナーマッスル)は、意識して動かすことが難しい方もいます。
EMSは電気刺激によって筋肉を収縮させるため、自分では意識しづらい筋肉にも刺激を与えやすいという特徴があります。
もちろん、インナーマッスルも運動で鍛えることはできます。
ただ、その感覚をつかみにくい方や、運動を始めたばかりの方にとっては、一つの補助になる可能性があります。
腰痛予防・再発予防への期待
腰痛は筋力だけが原因ではありません。
姿勢や身体の使い方、体幹の安定性、生活習慣など、さまざまな要素が関わっています。
そのため、EMSだけで腰痛が改善するとは考えていません。
しかし、鍼灸で痛みを和らげ、運動で身体の使い方を学び、その間をEMSで補う。
そんな組み合わせができれば、再発予防にも役立つ可能性があると考えています。
筋トレをしている方にも
「筋トレしているならEMSは必要ないのでは?」
そう思われる方もいるでしょう。
確かに、筋肥大や筋力アップが目的なら、筋トレが基本です。
しかし、EMSには通常のトレーニングとは異なる刺激を筋肉へ与えられるという特徴があります。
そのため、スポーツ選手やトレーニング経験者が、コンディショニングの一つとして取り入れているケースもあります。
だからBridgeでは「SIXPAD MEDICAL PRO」を選びました
さまざまなEMSを検討する中で、当院ではSIXPAD MEDICAL PROを導入する予定です。
決め手になったのは、「有名だから」ではありません。
私自身が大切にしている「身体を動かせるようになる」という考え方と、コンセプトが近いと感じたからです。
今後は実際に私自身も使用し、患者さんにも体験していただきながら、良い点だけでなく、向いている方・向いていない方も含めて率直に発信していきます。
もし使ってみて「これは違う」と感じたことがあれば、それも正直にお伝えします。
そのくらいの姿勢で向き合いたいと考えています。
Bridgeが本当に目指しているもの
最後にお伝えしたいことがあります。
Bridgeが目指しているのは、EMSを受けてもらうことではありません。
鍼灸を受けてもらうことでもありません。
「元気に動ける身体を取り戻すこと」
「10年後も自分の足で歩き、好きなことを楽しめる身体を維持すること」
そのために、鍼灸が必要な方もいれば、運動が必要な方もいます。
EMSが役立つ方もいるでしょう。
大切なのは、どれか一つではなく、その方に合った方法を一緒に考えることです。
私はこれからも、「痛みだけを見る」のではなく、「その先の人生」まで考えられる鍼灸院でありたいと思っています。
まとめ
- 私はもともとEMSに懐疑的でした。
- 今でも運動が健康づくりの基本だと考えています。
- それでも「何もしない」より「できることから始める」ことには価値があります。
- EMSは運動の代わりではなく、補助として活用するものです。
- Bridgeでは、その考え方に合う方法の一つとしてSIXPAD MEDICAL PROを導入します。
「自分にはEMSが向いているのかな?」
そんな疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
Bridgeでは、EMSありきではなく、お身体の状態や生活スタイルを伺ったうえで、本当に必要かどうかも含めて一緒に考えます。
もし運動だけで十分だと判断した場合は、そのようにお伝えします。
あなたが10年後も元気に動ける身体でいられること。
それが、私たちが一番大切にしている目標です。


